
新型コロナの国内の感染者数は累積で2000万人を超えた。感染者のうち20人に1人以上が発症する後遺症は,もはや誰にとっても他人事ではない。コロナ後遺症は患者によって様々な症状が起こり,そのことが後遺症の根本にあるメカニズムや治療法の研究をする上で大きなハードルになっている。しかし流行から2年半がたち,後遺症患者の体内で起きている現象の理解が前進し,流行初期と比べて具体的な治療法の検討が行われるようになっている。症状の違いを超えて後遺症の患者に共通した免疫細胞の変化があることがわかってきたほか,体内の炎症が後遺症の様々な症状を引き起こす可能性も見えてきた。濃い霧の中にあった後遺症の正体が,少しずつ見え始めている。
どこまで進んだ? 実態解明 原因と治療のヒント 出村政彬
Long COVIDの霧を晴らす
岩崎明子エール大学教授に聞くメカニズム研究の最前線 語り:岩崎明子 聞き手:出村政彬