
現代日本にウルトラマンや外星人が登場したらどんなことが起きるか。そんな仮想世界を描いたのが全国公開中の映画『シン・ウルトラマン』だ。スーパー兵器は登場せず,等身大の政治家や官僚そして科学者が,突拍子もない事態に直面して右往左往する様子が活写されている。その作品世界を支えているのが物理学だ。ウルトラマンが行ったり戻ったりできる高次元宇宙「プランクブレーン」は素粒子物理学の超弦理論による宇宙モデルがベースになっている。またウルトラマンにとって必須の「スペシウム133」は原子核物理学の最新研究を踏まえるとリアリティが出てくる。物理学のエンターテインメント作品としての『シン・ウルトラマン』の魅力に迫る。
高次元宇宙「プランクブレーン」とは何か
中島林彦 協力:橋本幸士
超重元素「スペシウム133」研究序説
中島林彦 協力:延與秀人/羽場宏光/森本幸司