日経サイエンス  2022年6月号

アンドロメダとの衝突 天の川銀河の最後の姿

A. S. エバンス(バージニア大学) L. アーマス(カリフォルニア工科大学)

天の川銀河は最も近い大規模銀河であるアンドロメダ銀河は重力によって互いに引き寄せられつつある。将来,もっと近づくと,両銀河の様相は大きく変わり始める。星々は剥ぎ取られ,銀河は雄大な尾を引くようになり,ガスや塵は銀河中心方向に圧縮され,宇宙年齢の3/4近くもの歳月にわたって存在してきた堂々たる渦状腕が破壊される。

そして今から約50億年後,太陽が赤色巨星になって地球軌道あたりまで膨張する頃,両銀河は衝突・合体する。こうした銀河衝突の混沌の中で星々が爆発的に誕生し,銀河中心ブラックホールの活動が活発化する詳しい状況が,赤外線宇宙望遠鏡などを使った多数の合体銀河の研究でわかってきた。

銀河合体は非常に興味深い重要な現象だ。ほかの銀河どうしの合体を調べると私たちの銀河の未来がわかる。宇宙の歴史を理解するのにも役立つ。宇宙がまだ若くて高密度だった頃は銀河衝突がより頻繁に生じていたからだ。

著者

Aaron S. Evans / Lee Armus

エバンスはバージニア大学の天文学教授で米国立電波天文台と北米ALMA科学センターも兼務。アーマスは赤外線天体画像の処理・解析を担うカリフォルニア工科大学IPAC(Infrared Processing and Analysis Center)のシニアサイエンティストで同大学の研究員。

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銀河衝突が生み出す若い球状星団」, S. E. ゼフ/K. M. アシュマン,日経サイエンス2004年1月号。
宇宙100兆年の未来」,D. ゴールドスミス,日経サイエンス2012年6月号。

原題名

Cosmic Crashes(SCIENTIFIC AMERICAN December 2021)

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