日経サイエンス  2022年6月号

特集:時空の起源

編集部

 重力を説明する一般相対性理論と,それ以外のすべてを説明する量子力学。研究者らは,この2つを統合する方法を,1世紀以上にわたって探し続けている。いまだゴールは見えないが,2000年代に入って新たな手がかりが得られた。量子力学の一種である4次元の共形場理論(CFT)が語る量子もつれと,5次元の仮想空間(AdS)における幾何学的な記述が数学的に同じであることを示す「笠・高柳公式」が見いだされのだ。これは果たして,4次元世界の量子もつれから5次元の時空の構造が生まれることを意味しているのだろうか? 今,最も注目されている研究テーマの最新状況を解説する。さらにこの研究がどこからきて何を目指しているのか,東京工業大学名誉教授の細谷暁夫氏に徹底的に聞いてみた。


創発する時空 量子情報がもたらしたパラダイム  A. ベッカー
「時空の創発」ってどういうこと? 細谷曉夫氏に聞く  語り: 細谷曉夫  聞き手: 古田 彩