
間瀬真知香(ませ・まちか)は,いつものとおりルイボスティーを飲みながら待っていた。そろそろかしら,と思ったとき,おはようございます!と,何戸家夏太(なんとか・なつた)と姉の奈留沙(なるさ)が部屋に飛び込んできた。
「おはようございます。今日はパズルで遊びましょう」
◎ドミノを敷き詰める
「敷き詰めパズルの問題です。4×4の正方形盤に,きっちりとドミノを敷き詰めてみてください。ドミノは正方形2マス分の大きさで,必要なだけ使えます」
「できました」と,夏太がすぐに言った。
「はい,正解です。簡単でしたね。8個のドミノで4×4の盤面を埋める方法はいろいろあります。次に,3×3の正方形の盤をドミノで埋め尽くしてください」
「それはできません」と奈留沙が即答した。
「なぜでしょう?」と真知香が聞くと,
「奇数だからです。かならずマスが1つあまります」
「なるほど。ではマス目の数を偶数にしましょう。どうですか」
「4×4の盤から隅の2マスが欠けていますね」
「14は偶数だからできそう!」
2人はそう言って,さっそくドミノを並べ始めた。
「それができたら,32×32から隅の2マスが欠けた盤に挑戦してください。実際にやるのは大変だから,頭の中でね」
と真知香は言った。
だがほどなく,奈留沙と夏太は顔を見合わせた。
「なんか,どちらも敷き詰められない気が……します」
「そうですか。できるかできないか,白黒はっきりつけましょう。」
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