
地球温暖化に伴う豪雨などの極端気象がますます深刻化している。気温と海水温が上がって大気に多量の水蒸気が含まれるようなったためだ。水蒸気の熱エネルギーが台風など大型の低気圧を急速に発達させる原因になっている。水蒸気はそれ自体が温室効果ガスであり,温暖化を増幅している。また,大規模な山火事がアラスカやシベリアなどの高緯度地域で目立つようになった。夏場の気温が上昇,落雷が増えたことが背景にある。消えたはずの山火事が森の地面を覆う腐植層の内部でくすぶり続けて再燃する“ゾンビ火災”の例もある。腐植層が失われるとその下の永久凍土がゆるみ,温室効果ガスの放出が増える。この悪循環が強まると,北方林は炭素の吸収源から排出源に変わる恐れがある。
頻発する豪雨・豪雪 温暖化で水蒸気が大暴れ J. A. フランシス
燃えるアラスカ 北極圏に広がる森林火災 R. ジャント/A. ヨーク