
1型糖尿病,多発性硬化症,関節リウマチ,バセドウ病。それぞれ症状はまったく違うが,1つの共通点がある。それは,本来は体を守るはずの免疫機構が自身の体に牙を剥き,臓器や組織を攻撃することによって引き起こされる自己免疫疾患だということだ。現在,約80種類の病気が知られ,世界人口の4.5%が何らかの自己免疫疾患にかかっている。患者数は年々増えており,多くは根治が困難だ。なぜ免疫はあなたを裏切るのか。そのとき体内で何が起きているのか。患者の大多数が女性であるのはなぜか。今よりよい治療法は見つかるのだろうか。謎の多い自己免疫疾患の研究最前線に光を当てる。
反逆する体 J. フィッシュマン
理解されない苦しみ ある患者の闘い M. コニコヴァ
データで見る自己免疫疾患 M. ベンダー
なぜ自分に牙を剥くのか 免疫が裏切るメカニズム S. サザーランド
女性に多い理由 腸内細菌,ホルモン,X染色体が影響 M. W. モイヤー
反乱を抑える新たな手立て M. ブロードフット