
隕石や宇宙塵などの始原天体物質に含まれる有機物の分析が専門
はやぶさ2が採取した小惑星サンプルの分析リーダーの1人でもある
化学の視点から太陽系や生命の起源の謎に迫る
小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウのサンプルからは,太陽系の歴史や生命の起源を探る様々な手掛かりが見つかると期待される。サンプルの初期分析で固体有機物分析のリーダーを務める広島大学教授の薮田ひかるは,多種多様な化学分析を駆使して地球外有機物を調べる宇宙化学者だ。太陽系や生命の起源の謎を追う視線は,はやぶさ2プロジェクトにとどまらず太陽系内の様々な天体へと広がっている。 (文中敬称略)
薮田ひかる(やぶた・ひかる)
広島大学大学院先進理工系科学研究科教授。1974年名古屋市生まれ,東京育ち。2002年筑波大学大学院化学研究科博士課程修了。日本学術振興会特別研究員,米カーネギー研究所博士研究員,大阪大学助教などを経て2017年広島大学准教授,2019年から現職。「はやぶさ2」のサンプル分析では固体有機物分析のリーダーを務めている。