日経サイエンス  2022年2月号

特集:特集アルツハイマー病の意外な引き金

脳の免疫細胞 ミクログリアの裏切り

J. ウルリッヒ (ともにワシントン大学)

アルツハイマー病は,異常な形態のアミロイドやタウと呼ばれるタンパク質が脳に蓄積し,ニューロンの損傷をもたらすことが知られており,研究の焦点もここれらのタンパク質に当てられていた。ところが最近の研究で,この過程にミクログリアという免疫細胞が深くかかわっていることがわかってきた。ミクログリアは初期にはニューロンを保護する一方,後期には脳を傷つけるという矛盾した側面を持つようだ。今,このミクログリアを標的とした治療法の開発が進んでいる。



再録:別冊日経サイエンス252『脳科学の最前線 脳を観る 心を探る』

ウルリッヒは,ワシントン大学(セントルイス)の神経学准教授。ホルツマンは同校の神経学の教授・神経科学科長,ホープ神経疾患センターの所長でもある。ナイト・アルツハイマー病研究所の副所長も務める。また,C2Nダイアグノスティックスの共同創業者であり,他の様々な企業とのコンサルタント契約や研究助成金を得ている。

関連記事
特集:アルツハイマー病 発病の謎を解く新たな視点」,K. S. コシク,日経サイエンス2020年11月号。

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

アルツハイマーアミロイドタウグリア細胞ミクログリア免疫神経現線維変化神経突起斑APOETREM2神経変性ニューロン炎症