日経サイエンス  2021年12月号

熱くなる極北のるつぼ スヴァールバル諸島からの報告

G. ディッキー

 温暖化が地球で最も急速に進む北極圏で,人々の暮らしが実際に大きく変わろうとしている。北極圏にあるスヴァールバル諸島はノルウェー領ではあるが条約によって関係国に開かれており,最大の町ロングイェールビーンには各国から多くの人々が移り住んでいる。気温の急激な上昇はこの町の地盤を不安定にする一方で,経済発展の可能性も拓いている。人々と各国の思惑が交錯するこの「極北のるつぼ」の現在を報告する。

再録:別冊日経サイエンス253『世界の現場から 実践SDGs 格差・環境・食糧問題の現実解』

著者

Gloria Dickie

カナダのブリティッシュコロンビア州を拠点に活動する環境ジャーナリスト。National Geographic誌,Wired誌,New York Times紙などに寄稿。

原題名

The Polar Crucible(SCIENTIFIC AMERICAN June 2021)

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

ロングイェールビーンスヴァールバル条約永久凍土スヴァールバル世界種子貯蔵庫タイセイヨウダラ排他的経済水域北極シルクロード