日経サイエンス  2021年12月号

特集:新型コロナ 次の治療薬は

編集部

 2021年9月に,日本では2例目となる新型コロナウイルス感染症向けの中和抗体薬ゼビュディ(一般名ソトロビマブ)が承認された。新型コロナの流行が始まって1年半ほどで効果の高い抗体医薬が次々と使えるようになった背景には,2002年〜2003年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)の終息後も続けられたコロナウイルスの抗体医薬研究がある。抗体のような複雑なタンパク質でできた医薬品の開発はこれまで自然界で見つかった立体構造をそのまま採用するケースがほとんどだったが,ゼロからタンパク質の構造を設計し,ワクチンや治療薬にする野心的な研究も始まっている。


多様な変異ウイルスに効く抗体   出村政彬
タンパク質工学の新潮流 ワクチンや抗体医薬を自由に設計する   R. ジェイコブセン