日経サイエンス  2021年11月号

1億年の眠りから覚めた細菌

J. フレイザー(サイエンスライター)

南太平洋で過去1億年分に相当する深海堆積物が回収され,そこにわずかに含まれていた細菌に栄養を与えて培養したところ,急速に増殖した。意外なことに,大半は酸素呼吸をする細菌で,芽胞を作る嫌気性細菌はまれだった。赤色光で光合成を行うシアノバクテリアも見つかった。これらの細菌は堆積物のなかで増殖も何もせずに生き続けてきたようだ。

著者

Jennifer Frazer

米国科学振興協会(AAAS)科学ジャーナリズム賞を受賞したサイエンスライター。SCIENTIFIC AMERICANのウェブサイトにブログ「The Artful Amoeba」を執筆中。生物学と植物病理学,サイエンスライティングの学位を持つ。

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最古の生命を追う」,S. シンプソン,日経サイエンス2003年7月号。

原題名

Real Living Fossils(SCIENTIFIC AMERICAN June 2021)

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