日経サイエンス  2021年11月号

特集:mRNAワクチン

編集部

 新型コロナウイルス感染症は,変異ウイルスの登場で今後どれだけ流行を抑えられるかが不透明になっている。しかし,免疫とこのウイルスの関係について,今後の戦略を考える手がかりとなる研究成果がいくつか報告され始めている。はっきりしているのは,mRNAワクチンが変異ウイルスと戦うための強力な武器であるという点だ。mRNAワクチンは1年足らずで完成した急ごしらえのワクチンに見えるかもしれないが,実は分子生物学や薬学,ゲノム科学など多分野の研究によって30年かけてようやく実現した。新型コロナの流行によって初めて実用化したこの技術は今後,感染症にとどまらず,がんの治療に新たな戦略を加え,遺伝子疾患の治療や再生医療といった分野にも広まりそうだ。


新型コロナ 変異ウイルスといかに戦うか  出村政彬
知られざる30年の開発史  出村政彬
がんや難病 新たな治療戦略  古田 彩

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