日経サイエンス  2021年10月号

反抗期の脳とうまく向き合うには

L. デンワース(SCIENTIFIC AMERICAN編集部)

10代は重要な時期だ。ここで悪しき習慣を覚えるとなかなか抜け出せない。だが,“ 上から目線”のアドバイスは逆効果になりかねない。
青年期特有の難しさは,この時期の脳の発達の仕方で説明できる。判断や推論などに関わる脳領域がゆっくりと発達するのに対して,感情や報酬,仲間からの期待に反応する領域は急速に発達する。
思春期は社会的な存在になるための感受期で,脳はそれに応じた成長をする。こうした知見は,相手を尊重したやり方でのアドバイスが若者には有効であることを裏づけている。



再録:別冊日経サイエンス259『新版 認知科学で探る心の成長と発達』
再録:別冊日経サイエンス252『脳科学の最前線 脳を観る 心を探る』

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10代の脳の謎」,J. N. ギード,日経サイエンス2016年3月号

原題名

Age of Opportunity(SCIENTIFIC AMERICAN May 2021)

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