日経サイエンス  2021年10月号

特集:宇宙の夜明けを見る

月の裏側に電波望遠鏡

A. アナンサスワーミー(科学ジャーナリスト)

月の裏側は宇宙を電波で観測するための適地だ。地球発の電波が遮られて届かないうえ,観測の邪魔になる大気がないため,微弱な信号をキャッチできるからだ。特に初代の恒星が生まれる前の「宇宙の暗黒時代」を探るには,当時の宇宙を満たしていた水素から放射された電波を観測するしかない。地上の電波望遠鏡では無理だが,月の裏側なら可能だ。中国や米欧を中心に,月面や周回軌道上に電波望遠鏡を展開する計画が進んでいる。

著者

Anil Ananthaswamy

科学ジャーナリスト。著書に『宇宙を解く壮大な10の実験』『私はすでに死んでいる ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』「Through Two Doors at Once: The Elegant Experiment That Captures the Enigma of Our Quantum Reality」がある。

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宇宙の暗黒時代を探る」,A. ロブ,日経サイエンス2007年2月号。

原題名

The View from the Far Side of the Moon(SCIENTIFIC AMERICAN April 2021)

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