日経サイエンス  2021年10月号

特集:新しい恐竜像

ジュラシック・パークの“ 毒吐き恐竜” ディロフォサウルスの本当の姿

M. A. ブラウン(テキサス大学オースティン校) A. D. マーシュ(化石の森国立公園)

ジュラ紀前期の恐竜ディロフォサウルスは1993年公開の映画『ジュラシック・パーク』に“出演”,知名度が上がった。だが,その本当の姿は映画に描かれたものとは異なることが近年の研究で明らかになった。ディロフォサウルスは強力な顎を持ち,当時としては大型の頂点捕食者で,他の恐竜も捕食していたようだ。ディロフォサウルスの進化のプロセスや生息環境も詳細にわかってきた。

著者

Matthew A. Brown / Adam D. Marsh

ブラウンはテキサス古脊椎動物学コレクションのディレクター。テキサス大学オースティン校で古生物学の実習授業を担当し,博物館の方法論について教えている。博物館の活動とそれが科学データ源としての化石に与える影響を研究。

マーシュは化石の森国立公園の主任古生物学者で,テキサス古脊椎動物学コレクションと北アリゾナ博物館の研究員。研究テーマは古脊椎動物学と層序学,中生代前半の年代学の統合。

監修 田中康平(たなか・こうへい)
筑波大学生命環境系助教。専門は古脊椎動物学。主として恐竜類の繁殖戦略の進化史を研究。大学では古生態学を教えている。

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恐竜を滅ぼした小惑星衝突プラスアルファ」,S. ブルサット,日経サイエンス2016年3月号。

原題名

The Real Dilophosaurus(SCIENTIFIC AMERICAN January 2021)

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