
2つのとさかを持つ恐竜ディロフォサウルスは1993年公開の映画『ジュラシック・パーク』で知名度が上がった。大型犬くらいの大きさで,エリマキトカゲのようなフリルを持ち,有毒な唾を吐く恐竜だ。だが,その本当の姿は映画に描かれたものとは異なることが近年の研究で明らかになった。ディロフォサウルスは強力な顎を持ち,当時としては大型の頂点捕食者で,他の恐竜も捕食していたようだ。意外な姿といえば,かつて他の恐竜の卵を食べると思われていたオヴィラプトルは,実はその卵の実の親で,しかもオスが卵を抱いて温める“イクメン”だったらしい。恐竜の卵の殻は当初ウミガメのようにやわらかかったが後に鳥のように硬くなり,抱卵のような高度な繁殖行動を可能にしたという。
ジュラシック・パークの“毒吐き恐竜” ディロフォサウルスの本当の姿
M. A. ブラウン/ A. D. マーシュ
卵の化石から読み解く恐竜の進化 真鍋 真