日経サイエンス  2021年9月号

失った手を取り戻す 移植手術でわかった神経の可塑性

S. H. フレイ(ミズーリ大学)

 世界には手の移植を受けた人が100人近くいる。感染などで再び切除せざるを得ないこともあるが,中には20年以上使い続けている人も。手を失うと,脳の運動野や感覚野の一部が変化して健常なときのようには機能しなくなるが,新たな手を移植すると,たとえ切断から何十年もたっていても,脳は手からの信号を正しく理解する方法を学習するらしい。



再録:別冊日経サイエンス252『脳科学の最前線 脳を観る 心を探る』

著者

Scott

ミズーリ大学コロンビア校の認知神経科学の教授。手の移植と人間の脳に関する著書を近く上梓する予定。

原題名

New Connections(SCIENTIFIC AMERICAN December 2020)

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