日経サイエンス  2021年8月号

ロケット大量打ち上げ時代の大気汚染

M. N. ロス L. デイビッド(宇宙ジャーナリスト)

ジェット機とは違って,宇宙ロケットの排ガスが地球環境に及ぼす影響はこれまで軽視されてきた。だが民間宇宙産業の拡大が期待される現在,その持続可能性に目を向ける必要がある。航空機の排ガスとロケットの排ガスはまったく異なる道筋で大気に影響する。宇宙ゴミの大気圏再突入によっても汚染物質が“排出”される。影響には未知の部分もあり,しっかりした取り組みが求められる。

著者

Martin N. Ross / Leonard David

ロスはエアロスペース・コーポレーションの科学者で,航空宇宙推進システムが地球大気に与える影響に関する研究を率いている。世界気象機関による2018年「オゾン破壊の科学的評価報告書」の執筆に加わった。デイビッドはベテランの宇宙ジャーナリスト。近著に「Moon Rush: The New Space Race」(ナショナルジオグラフィック,2019年)がある。

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米国の巨大ロケット スペース・ローンチ・システム」,D. H. フリーマン,日経サイエンス2015年9月号。

原題名

Space Pollution(SCIENTIFIC AMERICAN February 2021)

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