
宇宙に遍在しているのに触ることも見ることもできない暗黒物質(ダークマター)を構成する粒子の検出を試みる実験が始まったのは1990年代だ。それ以降,暗黒物質の存在を裏づける証拠が積み重なる一方で,現物の形跡はまったく見つかっていない。このパターンを断つべく,長年の「XENON(ゼノン)実験」をグレードアップした新装置が昨年後半に運転を始めた。大型化によって検出可能性を高めるなど,数々の工夫を加えた。暗黒物質の探索は正念場だ。
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「宇宙に潜む原始ブラックホール」, J. ガルシア=ベジード/S. クレッセ,日経サイエンス2018年5月号。
原題名
Dark Matter’s Last Stand(SCIENTIFIC AMERICAN April 2021)
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WIMP/XENONnT実験/キセノン/自由中性子/光電子増倍管