
かつて「ヒステリー」や「転換性障害」などと呼ばれた疾患は原因がはっきりしない謎の病気とされた。近年は精神科と脳神経内科の間に位置する複雑な疾患として「機能性神経症状症」の名称でとらえ直されている。過去10年ほどで脳画像に基づく研究が進み,患者では運動を制御している脳領域と,情動処理に関与している脳回路の結合が健常人よりも強まっていることなどがわかった。トラウマ体験やストレスの関与などとともに,治療に向けた手がかりになりそうだ。
著者
Diana Kwon
フリーランスのジャーナリスト。独ベルリンを拠点に健康と生命科学に関する記事を執筆している。
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原題名
A Disorder of Mind and Brain(SCIENTIFIC AMERICAN November 2020)
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ヒステリー/転換性障害/心身症/機能性神経症状症/フォースマッチング/虚偽性障害/運動主体感/顕著性ネットワーク/経頭蓋磁気刺激法