日経サイエンス  2021年7月号

特集:太陽系誕生の謎を探る

惑星の種 コンドリュール

J. オカラガン(フリージャーナリスト)

隕石のほとんどに含まれる小さな球状粒子「コンドリュール」は45億年以上前に形成されたとみられるが,その形成プロセスに関する科学者たちの見解は一致していない。コンドリュールは原始太陽系星雲から形成されたとする説と,惑星形成の副産物であるとする説がある。前者が正しいなら,コンドリュールは惑星形成に重要な役割を果たしていただろう。

「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから持ち帰った試料や,2023年に帰還予定の米航空宇宙局(NASA)の探査機オシリス・レックスが小惑星ベンヌで採取したサンプルに,コンドリュールの起源を解明する手がかりが含まれている可能性がある。

著者

Jonathan O’Callaghan

民間宇宙飛行や宇宙探査,天体物理学に関する記事を執筆するフリージャーナリスト。Twitter アカウントは@Astro_Jonny。

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小惑星リュウグウの素顔」,中島林彦,日経サイエンス2021年2月号。
コンドライト隕石の秘密」,A. E. ルービン,日経サイエンス2013年5月号。

原題名

The Curious Science of Chondrules(SCIENTIFIC AMERICAN March 2021)

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