日経サイエンス  2021年6月号

生まれる前から不平等 胎児を蝕む貧困

J. カリー(プリンストン大学)

 喫煙,ストレスの高さ,食事の偏り──これらは貧しい女性に多く見られることがわかっており,いずれもお腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼす。さらに悪いことに,そのダメージはその子が成長した後も生涯にわたって続くようだ。日本の調査からも,経済格差による貧しさは子どもの健康を損なうことがわかっている。早期の社会的支援が必要だ。



日本の調査が明かす 経済格差と子どもの健康
山縣然太朗(山梨大学)
国民レベルの大規模調査から相対的な貧困の悪影響が見えてきた。

著者

Janet Currie

プリンストン大学の経済学および公共問題のヘンリー・パトナム教授で同大学健康福祉センター共同センター長。研究テーマは,健康および医療の利用における社会経済学的格差,および健康に対する環境上の脅威。

山縣然太朗(やまがた・ぜんたろう)
山梨大学大学院総合研究部医学域社会医学講座教授,医学博士。社会医学系専門医・指導医。専門は公衆衛生学,疫学。子どもの健康と環境とのかかわりについて研究している。

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特集:格差を科学する」日経サイエンス2019年5月号。
仕組まれた経済 格差拡大の理由」,J. E. スティグリッツ,日経サイエンス2019年5月号。
不平等が蝕む健康」,R. M. サポルスキー ,日経サイエンス2019年5月号。

原題名

Born Unequal(SCIENTIFIC AMERICAN October 2020)

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