
ヒマラヤなどの高峰は,冬に降った雪を氷河や雪塊として蓄える。それらが春から徐々に融け出して川に流れ込み,下流にすむ人々の生活や産業を支えている。しかし山岳地帯では地球温暖化の影響が平野部より強く,氷河は後退している。短期的には農業への打撃や洪水の深刻化をもたらし,今世紀の後半には水の供給量そのものが減っていくと予想される。
著者
Walter Immerzeel
オランダ・ユトレヒト大学の自然地理学教授。山地水文学グループ長。2002年よりネパールに居住し,ヒマラヤ高地の氷雪を計測している。
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「南極の氷床が崩壊中? 海面上昇加速の危機」,R. B. アリー,日経サイエンス2019年5月号。
原題名
Peak Water(SCIENTIFIC AMERICAN January 2021)