
古代の遺骨などから病原体のDNAを採取して調べる研究が進み,歴史的な感染症パンデミックの原因を特定できるようになった。6世紀の東ローマ帝国を襲った疫病がペストであると確認されたのが一例だ。こうした古DNAの解析から,病原体の進化や拡散ルートをたどることができる。先史時代から現代まで,病原体が人類史を大きく左右してきた歴史が浮かび上がっている。
再録:別冊日経サイエンス246「感染症Ⅱ 新型コロナと闘う」
著者
James P. Close
英国の南西イングランド在住のサイエンスライター。
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「DNA 解析が明かす先史ヨーロッパ 農耕民による狩猟採集民の征服」,L. スピニー,日経サイエンス2021年3月号。
原題名
Ancient Plagues Shaped the World(SCIENTIFIC AMERICAN November 2020)
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東ローマ帝国/ユスティニアヌスの疫病/黒死病/歯髄腔/ヤムナ文化/バイオフィルム/アステカ帝国/ココリツトリ/サルモネラ・パラチフスC菌