日経サイエンス  2021年6月号

特集:時空と情報

量子情報で解き明かす重力理論

中島林彦(日本経済新聞) 協力:大栗博司(東京大学/カリフォルニア工科大学) 高柳 匡(京都大学)

一般相対性理論と量子力学を統合する量子重力理論の研究が,量子情報理論との関係の深まりを受けて急進展している。「ブラックホールの情報パラドックス」の解決の糸口が見つかり,最も基本的な対称性が量子重力理論では破れていることが証明された。量子力学的な現象「量子もつれ(量子エンタングルメント)」の情報量である「エンタングルメント・エントロピー」が重要な役割を果たしている。

著者

中島林彦 / 協力:大栗博司 / 高柳 匡

中島は日本経済新聞記者。大栗は東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構機構長。米カリフォルニア工科大学フレッド・カブリ冠教授およびウォルター・バーク理論物理学研究所所長。日本の物理学分野で最も歴史と権威のある仁科記念賞をトポロジカルな弦理論などの業績で受賞。紫綬褒章受章。アイゼンバッド賞,サイモンズ賞,フンボルト賞など受賞多数。一般向け著作も多く,近著は自身の半生を綴った『探究する精神』(幻冬舎新書)。高柳は京都大学基礎物理学研究所教授。稲盛科学研究機構フェロー,It from Qubit: Simons Collaboration主任研究員。仁科記念賞を笠・高柳公式などの業績で単独受賞。笠真生氏とは西宮湯川記念賞,基礎物理学ニューホライズン賞を共同受賞。

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