
2021年1月8日,緊急事態宣言が出された。この冬のCOVID-19流行の第3波は第1波よりも重症者が多く,対象地域の重症者用病床は1月上旬の時点でほぼ埋まっている。重症のCOVID-19は,軽症者のそれとは様相がまったく違う。免疫応答の暴走が全身にダメージを与え,血栓や心臓障害,さらには臓器不全を引き起こす。高齢者や持病のある人は重症化のリスクが高いことがわかっているが,40代で重症化する人もいる。なぜ一部の人だけが重症化するのだろうか? 重症化の引き金を引くのは何なのか? 研究者らは,患者の免疫やゲノムを調べることで重症に至るシナリオを解き明かそうとしている。それが明らかになれば重症化のリスクを予測し,治療に結びつける道が開けるかもしれない。
免疫系の異様な暴走 肺や血管で何が起きているか 岩崎明子/ P. ウォン
リスクを高める隠れた要因 古田彩/出村政彬