日経サイエンス  2021年2月号

地球温暖化対策の誤算 植物バイオマスが足りない

E. テーンスマイヤー D. ギャリティ(グローバル・エバーグリーニング・アライアンス)

地球温暖化を抑えるための現在の計画は大気中の二酸化炭素(CO2)の吸収・固定を樹木などの植物に頼りすぎている。植物由来のバイオ燃料をCO2回収・貯留と組み合わせて利用する方法を本格的に活用するには大量の植物バイオマスが必要で,その量は地球上で栽培可能な量を上回ってしまう。この矛盾を打開する方策を考える。

再録:別冊日経サイエンス253『世界の現場から 実践SDGs 格差・環境・食糧問題の現実解』

著者

Eric Toensmeier / Dennis Garrity

テーンスマイヤーはエール大学の講師で,プロジェクト・ドローダウンとグローバル・エバーグリーニング・アライアンスのシニアフェロー。著書に「The Carbon Farming Solution: A Global Toolkit of Perennial Crops and Regenerative Agriculture Practices for Climate Change Mitigation and Food Security」(チェルシーグリーン出版,2016年)がある。

ギャリティはグローバル・エバーグリーニング・アライアンスの会長。国際アグロフォレストリー研究センターおよび世界資源研究所のシニアフェロー,ランドケア・インターナショナルの会長も務めてきた。

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土壌を肥やすペレニエーション農法」,J. P. レガノルド/ J. D. グラバー,日経サイエンス2016年9月号。

原題名

The Biomass Bottleneck(SCIENTIFIC AMERICAN August 2020)

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