日経サイエンス  2021年1月号

科学の近代史 発見と過ちの175年

見えてきた大絶滅の原因 太古の地層からの警告

P. ブラネン(科学ジャーナリスト)

複雑な生命が誕生してから5億年の歴史のなかで,地球上のほぼすべての生物種が消滅した大規模な大量絶滅が5回あった。恐竜の時代を終わらせた白亜紀末の大量絶滅は小惑星衝突が主因であることはよく知られている。だが,2億5200万年前のペルム紀末に起こった史上最悪の事例など,多くの大量絶滅が地球の炭素循環が異常になったために起きたことが近年明らかになった。現在,大気中の二酸化炭素濃度は急激に上昇している。私たちは過去に学ばなければならない。

著者

Peter Brannen

科学ジャーナリスト。2018~2019年コロラド大学ボルダー校スクリッ プス・フェロー。著書に『第6の大絶滅は起こるのか』(邦訳は築地書館,2019年)がある。

原題名

The Worst Times on Earth(SCIENTIFIC AMERICAN September 2020)

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