日経サイエンス  2021年1月号

科学の近代史 発見と過ちの175年

ビッグバンを遂げた宇宙像 太陽系からマルチバースへ

M. リース(英国王室天文官)

宇宙に関する理解はこの175年で大きく進んだ。SCIENTIFIC AMERICANが創刊された175年前は太陽などの恒星が何でできているかさえ不明だった。現在,私たちは宇宙の歴史を138億年前のビッグバンのわずか10億分の1秒後の瞬間まで自信を持ってさかのぼることができる。さらに,この宇宙とは別の宇宙が存在する可能性まで示唆されている。こうした進展の背景には,実現不可能とみられた目標を追求する不屈の科学者の努力があった。

著者

Martin Rees

1995年から英国王室天文官を務める天体物理学者。ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ学寮長とロンドン王立協会会長を歴任。『私たちが、地球に住めなくなる前に』(邦訳は作品社,2019年)など9冊の著書がある。

原題名

Our Place in the Universe(SCIENTIFIC AMERICAN September 2020)

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