日経サイエンス  2020年12月号

学ぶと配線の太さが変化 シナプスだけじゃない脳の情報処理システム

R. D. フィールズ(米国立衛生研究所)

神経科学の教科書には,学習が行われるとニューロン間の接続部であるシナプスが変化すると書かれている。だが,変化はミエリン(髄鞘)にも起こることが新たな研究で示された。ミエリンはニューロンの細胞体から伸びる長い軸索を部分的に覆っており,絶縁体として働く。ミエリンはその厚みを常に変化させることで神経シグナルの伝導速度を調整し,学習に貢献しているようだ。



再録:別冊日経サイエンス259『新版 認知科学で探る心の成長と発達』
再録:別冊日経サイエンス243「脳と心の科学 意識,睡眠,知能,心と社会」

著者

R. Douglas Fields

米国立衛生研究所の神経系発生および可塑性セクションの上席研究者。著書に「Electric Brain: How the New Science of Brainwaves Reads Minds, Tells Us How We Learn, and Helps Us Change for the Better」(BenBella Books,2020)がある。

関連記事
脳の隠れた主役 学習と白質の意外な関係」,R. D. フィールズ,日経サイエンス2008年6月号。

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

ミエリン白質学習グリア細胞