日経サイエンス  2020年12月号

特集:長期化するCOVID-19

AIDSの経験に学ぶ

W. A. ヘーゼルティン(アクセスヘルス・インターナショナル)

今後,新型コロナウイルスとの戦いはどう展開するのか? それは誰にもわからない。だが,AIDS(後天性免疫不全症候群)を引き起こすHIVとの長年の戦いから得られたいくつかの教訓が手がかりとなる。例えばワクチンができる保証はないが,治療薬は最も重要な武器になりうること。また,どの病気との戦いにおいても人間の行動が重要となり,人間性に関する点を見逃してはならないこと。そして以前の感染症流行との戦いで得られた知識と手段を生かすことの重要性だ。



再録:別冊日経サイエンス246「感染症Ⅱ 新型コロナと闘う」

著者

William A. Haseltine

元ハーバード大学医学部教授で,同大学のがん研究学科とHIV/AIDS研究学科の創設者。現在は世界的な医療系のンクタンクであるアクセスヘルス・インターナショナルの代表を務めている。これまでに10社を超えるバイオテクノロジー企業を設立した。近著に「A COVID Back to School Guide: Questions and Answers for Parents and Students」と「A Family Guide to COVID-19: Questions and Answers for Parents, Grandparents and Children」がある。

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エイズウイルスの分子生物学」,W. A. ヘイゼルチン/F. ウォン=スタール,日経サイエンス1988年12月号。

原題名

What We Learned from AIDS(SCIENTIFIC AMERICAN October 2020)

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