日経サイエンス  2020年10月号

特集:洪水災害を予測する

1カ月後の天気は? よく当たる長期予報を目指して

K. ピジョン(ジョージ・メイソン大学)

3~4週間先までの天気を予測する月間予報(季節内予報)の精度が上がってきた。おなじみの週間予報が日ごとの最高・最低気温と降水・降雪確率,風の状況を詳しく提供するのに対し,季節内予報はその日が平年よりも暖かくなるか寒くなるか,通常よりも降水が多いか乾燥するかを予測し,危険な極端気象も予測する。より強力になったスーパーコンピューターが寄与しているが,マッデン・ジュリアン振動や北大西洋振動など全地球規模の気候パターンに関する理解が進んだことも重要なポイントだ。

著者

Kathy Pegion

ジョージ・メイソン大学の大気・海洋・地球科学学科の助教。4週間予報を行うサブXプロジェクトを監督しているほか,数年先の気象を予報する研究にも取り組んでいる。

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異常気象を招く 暴れるジェット気流」,J. マスターズ,日経サイエンス2015年3月号。

原題名

Your 28-Day Weather Forecast(SCIENTIFIC AMERICAN July 2020)

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