
宇宙旅行のできる技術文明が銀河系に他にある場合,驚くほど短期間のうちに銀河系全体に広がりうることが簡単な推定から示されている。ではなぜ,エイリアンの地球訪問を示す証拠が見つかっていないのか? この「フェルミのパラドックス」に対して様々な“解”が考えられてきたが(人類以外に知的生命体はいない,恒星間旅行は不可能,エイリアンは身を隠している,など),いずれも,ありえないような仮定に基づいている。最も妥当と思われる説明は,銀河系規模の入植は波状的に起こっており,人類はその波から外れた場所,恒星間探査の休止期に存在しているというものだろう。
著者
Caleb Scharf
コロンビア大学宇宙生物学センターの所長。著書に「The Copernicus Complex」(2014年),『ズーム・イン・ユニバース』(邦訳はみすず書房,2019年)など。SCIENTIFIC AMERICANのウェブサイトでブログ「Life, Unbounded」を連載中のほか,多くの媒体に執筆している。妻と2人の娘とともにニューヨーク在住。
関連記事
「人類という奇跡」,J. グリビン,日経サイエンス2018 年12 月号。
原題名
The Galactic Archipelago(SCIENTIFIC AMERICAN January 2020)
サイト内の関連記事を読む
キーワードをGoogleで検索する
フェルミのパラドックス/銀河円盤/ハロー/プロキシマ・ケンタウリ