
南極大陸の内陸部にある山の斜面の岩の下に,ホソシロトビムシという6本脚の小動物が生息している。近年の調査と遺伝子解析から,ホソシロトビムシが命を脅かす氷床や有毒な塩(えん)をなんとか回避しながら,30回を超える氷河期をほぼ同じ場所で生き抜いてきたことが判明した。その間,個体数がわずか2匹に減ったこともあったようだ。
著者
Douglas Fox
カルフォルニア州を拠点とするサイエンスライター。極地科学や気候,生物学についての記事を書いている。本誌には「神経伝達の常識を覆すニューロン表面波伝播説」(2018年9月号)などを執筆。
関連記事「南極の氷下の闇に生物!」,D. フォックス,日経サイエンス2015年10月号。
原題名
Extreme Survivor(SCIENTIFIC AMERICAN April 2020)