
新型コロナウイルス感染症の流行から半年以上が経過した。感染症対策と経済活動の両立が課題とされるが,その答えはなかなか見えてこないのが現実だ。世界各国が半年間でどのような感染拡大を経験し,どんな対策を講じてきたかを概観することは,この課題の解を探す助けになるだろう。各国の流行状況をデータで比較しながら,対策内容の違いや経緯を整理する。
国ごとの感染者数の推移は,人と人の接触を減らすことで流行の拡大を抑える感染症対策の原則が,この新たな感染症においても有効であることを示している。なかでも強制的に接触を削減できるのは,人々に自宅待機を要請し,人の集まる店や公共空間を軒並み閉めてしまう「ロックダウン」だ。ドイツやイタリア,フランスなど,欧州各国を中心に実施された。一方,ロックダウンは経済的な打撃の大きい対策でもある。感染拡大防止に効果的とわかっていても,対策を途中で切り上げざるを得ない国もある。こうした対策の効果は,感染者数や,流行の拡大状況の指標となる実効再生産数の変化に数値として表れている。
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新型コロナウイルス感染症/COVID-19/SARS/MERS