日経サイエンス  2020年8月号

ピグミーの森

J. ルイス(英ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ)

手つかずの自然を保護区を設けて守る一方,それ以外では自然資源を採取して経済発展を図る――そうした「持続可能な開発」の考え方は筋が通っているように思えるが,完全ではないようだ。アフリカで5万年以上前から移動生活を送り,森の恵みを糧に暮らしてきたピグミーの人々が,近代的な自然保護と経済開発によって窮地に陥っている。



再録:別冊日経サイエンス253『世界の現場から 実践SDGs 格差・環境・食糧問題の現実解』

著者

Jerome Lewis

英ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの人類学准教授で,同大学サステナビリティー人類学センターの所長,ExCiteSグループの共同代表。2019年,生物多様性を保護する先住民の方法に関心を高めるためのイニシアチブ「フラーリッシング・ダイバーシティ」を設立。

原題名

Living with the Forest(SCIENTIFIC AMERICAN May 2020)

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