日経サイエンス  2020年8月号

特集:解明進む 新型コロナウイルス

新型コロナウイルス感染症COVID-19は,南米やインドを中心にいまだ感染拡大が続いている。日本や欧州では流行の第1波は過ぎたものの,第2波の再来は避けられないとの見方が強い。今後の流行の影響を最小限にとどめるには,COVID-19に対する科学的な理解が欠かせない。現在,感染や増殖などのウイルスの基本的な振る舞いが徐々に明らかになっている。国レベルの流行規模や個人レベルの症状にばらつきがある理由を突き止めようと,ウイルスやヒトのゲノム解析も動き出した。

 今回のパンデミックで影響を受けた人の数と期間は膨大だ。人々は家族や職を失い,今も先の見えないストレスにさらされている。心理学者たちは,この新たな危機に対処する方法を模索している。



図説 感染・増殖・防御の仕組み  M. フィシェッティ
ゲノム解析でウイルスの謎に挑む  出村政彬
世界規模のトラウマ 克服への処方箋を探る  L. デンワース

サイト内の関連記事を読む