日経サイエンス  2020年7月号

進化で読み解く歯の健康学

P. S. アンガー(アーカンソー大学)

動物の歯は何億年もの時間をかけて,非常に強く,効果的な咀嚼に適した歯並びへと進化した。ある特定の口内環境において,これらの機能がうまく働くようになっている。現代人の歯並びの悪さや虫歯などの問題は主に,口内環境の変化から生じている。かつての人類の食事に比べ,より軟らかく,砂糖の多い食べ物が導入された結果だ。
 
 
再録:別冊日経サイエンス242「人間らしさの起源 社会性,知性,技術の進化」

著者

Peter S. Ungar

アーカンソー大学の古生物学者・歯科人類学者。現生の霊長類と化石霊長類の食事および摂食の適応を研究している。

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歯が語る人類祖先の食生活」,P. S. アンガー,日経サイエンス2019年1月号。

原題名

The Trouble with Teeth(SCIENTIFIC AMERICAN April 2020)

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