日経サイエンス  2020年7月号

特集:核酸医薬

希少疾患に光明 アンチセンス核酸医薬

L. デンワース(SCIENTIFIC AMERICAN編集部)

アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)は化学的に改変したDNAやRNAの短い鎖で,特定のRNAに由来して生じるタンパク質を変えるように設計されている。数十年の苦闘の末,この技術がついに本領を発揮し始めた。脊髄性筋萎縮症向けの「スピンラザ」など希少疾患向けの8種の薬が米国と欧州で承認されているほか,ハンチントン病と筋萎縮性側索硬化症(ALS)向けの核酸医薬は臨床試験の最終段階にある。アンチセンス核酸医薬は遺伝性の希少な神経疾患に特に有効な治療法となりそうだ。



再録:別冊日経サイエンス256『生命科学の最前線 分子医学で病気を制す』

原題名

Finally Making Sense(SCIENTIFIC AMERICAN March 2020)

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