日経サイエンス  2020年6月号

飛行機はなぜ飛べるのか いまだに残る揚力の謎

E. レジス

飛行機が浮かんでいられるのは,翼が風を受けて上向きの「揚力」が生じるため──ではあるのだが,そもそもなぜ揚力が生じるのか。実は空気力学の方程式はその理由を説明していない。「ベルヌーイの定理」などに基づく理論があるが,説明としては不完全なのだ。近年,この理解の欠落を埋める試みがなされたものの,一致した見解はまだ存在しない。

著者

Ed Regis

サイエンスライター。これまでに10冊の科学書を著している。最近の著書に「Monsters: The Hindenburg Disaster and the Birth of Pathological Technology」(ベイシックブックス,2015年)がある。自家用機を操縦するプライベート・パイロット免許を持ち,総飛行時間は1000時間。

原題名

The Enigma of Aerodynamic Lift(SCIENTIFIC AMERICAN February 2020)

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