日経サイエンス  2020年6月号

特集:サイバー戦争

GPSハッキングの脅威

P. トゥリス(サイエンスライター)

旅客機を誘導しているGPS信号がおそらくハッカーによって妨害されたとみられる事案が発生した。現代では電力網や株式市場など多くのシステムが,運用の時刻合わせをGPSに依存しているが,GPS信号の妨害や偽装は容易にできる。高価で複雑な装置も,高度な訓練も必要ない。妨害や偽装が困難な地上系バックアップシステムなどを整える必要があるだろう。



再録:別冊日経サイエンス251『「戦争」の現在 核兵器・サイバー攻撃・安全保障』

著者

Paul Tullis

アムステルダム在住のジャーナリストで,科学と技術,ビジネスが交差する分野についてリポートしている。本誌には観光客の増加がガラパゴス諸島の自然をいかに破壊しているかに関する記事を執筆した。

原題名

GPS Down(SCIENTIFIC AMERICAN December 2019)

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