日経サイエンス  2020年5月号

特集:新型コロナウイルス

病原体の実像に迫る

出村政彬/古田彩(ともに編集部)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが止まらない。2019年12月8日に中国湖北省武漢市で1例目の患者の発症が確認されてからわずか3カ月で,世界の100を超える国・地域に拡大した。感染者の指数的な増加は中国から欧州,中東に飛び火し,米国に迫っている。日本ではまだ感染爆発は起きていないが(3月19日現在),今後はわからない。

 

2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)と2012年のMERS(中東呼吸器症候群)に続いて,人類が大規模な新型コロナウイルスの攻撃に見舞われるのは今世紀に入って3度目だ。だが今回は前の2回と異なる点が1つある。計算機を使って疫学や生物学を進める学問分野が長足の進歩を遂げたことだ。ウイルスの解明や感染拡大の予測,治療薬の探索など,研究者たちは科学の手段を尽くして,この病原体と闘おうとしている。今回のアウトブレイクの最初の3カ月間を振り返るとともに,この間に積み上げられた科学の知見について解説する。

 

 

この続報は4月25日発売の2020年6月号
緊急解説:新型コロナウイルス感染症 COVID-19」でご紹介しています。
再録 別冊日経サイエンス238「感染症 ウイルス・細菌との闘い」

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