
地球磁場(地磁気)は外核における液体金属の対流によって生み出され,その磁極の逆転が不定期に起きている。シミュレーション研究によって地磁気の生成メカニズムはわかってきた。液体金属の流れに引きずられて磁力線が変形したり,磁力線どうしが一時的に接触,磁力線の結びつき方が変わる現象(磁力線のつなぎかえ)が起きることで,観測されるような地磁気が形成される。地磁気逆転もシミュレーションで再現されている。ただ,液体金属の振る舞いをまだ忠実に計算機で再現できていないため,現実にどんなメカニズムで起きるのかはよくわかっていない。
著者
中島林彦 / 協力:陰山聡
中島は日本経済新聞記者。陰山は神戸大学教授(大学院システム情報学研究科計算科学専攻)。専門は磁気流体力学を中心とした計算機シミュレーションとデータ可視化。データ可視化については近年,「4次元ストリートビュー」というユニークな手法を提唱し,その実証に力を注いでいる。
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「地磁気反転の謎に迫る」,G. A. グラッツマイヤーほか,日経サイエンス2005年7月号。
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