
46億年の地球史のなかに,日本の千葉にちなむ地質時代「チバニアン」が誕生した。その根拠となるのが,チバニアンの始まりの痕跡が残る77万年前の千葉県の地層だ。チバニアンの間には地磁気逆転や気候変動など数々の地質学的イベントが起き,現生人類のホモ・サピエンスが生まれたのもこの時代だ。地層に残された人類誕生前夜の地球の記録が,研究者らによって復元されつつある。また,チバニアンの始まりを特徴づける地磁気逆転現象のメカニズムは,今なお謎に包まれた地球科学のビッグ・クエスチョンだ。シミュレーションを用いて,地磁気の生成に関わる地球内部の外核の動きを探る研究が進んでいる。
77万年前の地球を探る 出村政彬 協力:岡田誠/菅沼悠介/羽田裕貴
地磁気はなぜ逆転するのか 中島林彦 協力:陰山聡