日経サイエンス  2020年4月号

フロントランナー挑む 第100回

生命誕生と存在の謎 地球を調べ宇宙を探る:関根康人

小玉祥司(日本経済新聞編集委員)

土星の衛星エンケラドスに生命を育める可能性があることを突き止めた
各地の地質試料を化学的に分析し地球や他の惑星で何が起きたかを考察
生命の誕生と存在の条件を解き明かし,地球が生命を宿す謎に迫る

 

太陽系の探査が進むにつれて,これまで考えられていた以上に様々な場所で生命が存在する期待が高まっている。東京工業大学地球生命研究所教授の関根康人は化学的な手法を駆使して,火星のような地球型惑星だけでなく土星の衛星などでも生命の可能性を追求する。目指すのは生命を宿す星がどのような条件を備え,地球の生命がどこから来たのかの解明だ。  (文中敬称略)

関根康人(せきね・やすひと)
東京工業大学地球生命研究所教授。1978年東京生まれ。2001年東京大学理学部卒,2006年東大大学院理学系研究科博士課程修了。東大准教授などを経て2018年6月より現職。2019年4月から金沢大学環日本海域環境研究センター客員教授を兼務。2009年日本惑星科学会最優秀研究者賞,2016年文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞。

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