日経サイエンス  2020年3月号

特集:『三体』の科学

SF小説『三体』に見る天文学最前線 

系外惑星の先にある異星文明

中島林彦(日本経済新聞) 協力:須藤靖(東京大学)

異星文明とのファーストコンタクトを扱った中国のSF『三体』が世界的ベストセラーとなり,SFファンのみならず多くの人々に読まれている。その背景には天文学が進展し,太陽系に最も近い恒星系を含むほとんどの恒星が惑星を持ち,中には生命が存在しうる惑星がかなりあることが明らかになったことがある。地球の文明は,太陽系が三体世界と違って太陽が1つしかないシンプルな系だったことなど偶然による幸運のおかげで発展してきたことがわかる。

再録:別冊日経サイエンス254『SFを科学する 研究者が語る空想世界』

協力:須藤靖(すとう・やすし)
東京大学大学院理学系研究科教授で同研究科附属ビッグバン宇宙国際研究センターのセンター長。専門は系外惑星と宇宙論。大学時代,セーガンによるテレビ番組『コスモス』を見て感動した。『三体』について「壮大な話で非常に感銘を受けた」と話す。

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