
宇宙航空研究開発機構が開発中の小型月着陸実証機SLIMの計画を率いる
豊富なアイデアで高度なミッションの達成を狙う
2021年度の打ち上げを目指し,開発は佳境に入っている
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発している小型月着陸実証機SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)は月面へのピンポイント着陸を目指している。プロジェクトマネージャを務めるJAXA宇宙科学研究所教授の坂井真一郎は「降りられるところに降りるのではなく,降りたいところに降りるのが目標」と話す。ピンポイント着陸を果たした探査機は前例がない。2021年度打ち上げを目指し,開発が佳境に入っている。 (敬称略)
再録:別冊日経サイエンス248『科学を仕事にするということ 未来を拓く30人』
坂井真一郎(さかい・しんいちろう) 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所教授。1973年生まれ。1995年東京大学工学部卒業,2000年東大大学院博士課程(電気工学)修了。2001年宇宙科学研究所に助手として採用,准教授を経て2019年から教授。2016年からSLIMプロジェクトマネージャを併任。