日経サイエンス  2020年1月号

現実になった懸念 温暖化による異常気象

J. フランシス(ウッズホール研究所)

猛暑の後は大型の台風が続いて甚大な被害が出るなど,最近の天気は散々だ。こうした極端気象の増加は世界的な傾向で,背後には地球温暖化がある。もはや自然に生じる変動だけでは説明できない。海水温上昇や大気中の熱と水蒸気の増加といった地球規模の要因と,ジェット気流や極渦の乱れをはじめとする地域的要因,これらと自然変動の相互作用が働いている。極端気象激化のメカニズムが明らかになってきた。
 

 
再録:別冊日経サイエンス240「気候大異変 いま地球で何が起こっているのか」

著者

Jennifer Francis

ウッズホール研究所(マサチューセッツ州ファルマス)のシニアサイエンティスト。1994年から2018年まで,ラトガーズ大学の研究教授を務めていた。

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海流と気候 メキシコ湾流再考」,S. C. ライザー/M. S. ロージア,日経サイエンス2013年7月号。

原題名

Rough Weather Ahead(SCIENTIFIC AMERICAN June 2019)

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