日経サイエンス  2019年11月号

闘争の動物行動学

G. アーノット R. W. エルウッド(ともに英クイーンズ大学ベルファスト)

どの動物も,食物や交配相手をめぐる争いの際に,相手と自分の戦闘能力を比べていると考えられてきた。相手が強すぎるなら諦めたほうが身のためだ。だが近年の研究で,多くの動物種が戦うか引き下がるかを決めるうえで別の様々な評価法を用いていることが判明した。たいていは自分の戦闘能力だけを把握しており,相手の能力は評価できないようだ。


参考動画:著者らが撮影したヤドカリの闘争




再録:別冊日経サイエンス244「動物の行動と進化 環境が育んだ驚異」
再録:別冊日経サイエンス236「心と行動の科学」

著者

Gareth Arnott / Robert W. Elwood

アーノットは英クイーンズ大学ベルファスト(北アイルランド)の動物行動学・動物福祉の上級講師。動物の闘争行動と動物福祉を研究している。エルウッドは同大学の動物行動学の名誉教授で,動物行動研究協会(ASAB)の前会長。

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シャチの悲嘆 死を悼む動物たちPart 2」,B. J. キング,2019年8月号。

原題名

When Animals Fight(SCIENTIFIC AMERICAN August 2019)

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